ネック材
ネックについて。
無垢材ネック
写真の材はオバンコールです。
カーボンにより強度を調整したネック
下の方の写真はカーボンの補強材を入れる溝を切ったマホガニーのネック材です。
木材により強度を調整したネック
ベースの木材はマホガニー、そして強度調整に使った材はパープルハートです。
こちらでは主に3種類(無垢材、カーボン補強材、木の複合材)のネックを作っています。
その目的は、どれも同じ音にする為です。
木材の個体差を消す為と言った方が解り易いかもしれません。
木材の同種間の個体差、異種間にある差を無くし、ネック材として機能させる為の作業です。
そしてネックにも厚みの差があります。
同じ材質でネックを作ったとするなら、厚いネックの強度に比べ、薄いネックの強度は相対的に落ちます。
その差も、異種の素材を組み合わせる事で無くす事が出来ます。
薄いけれども、厚いネックと同じ強度が出ているネックを作る事が出来るのです。
レスポールの場合、何故59年製なのか?そして、何故ジミー・ペイジのNO.1・・・つまり58年レスポールの59と60の中間モデファイバージョンがレスポールの代表として目されているか?という問題と関わらずにはいられません。
ここが昔の人の偉いところで、ちゃんと音で判断してたのですよね。
ネックの厚みが、年代が後になればなるほど、傾向として薄くなるのです。
58年までのものには、ほぼ、ハズレ(鳴らない物)がありませんが、ローが明瞭ではない物が多い。
出ていないのではなく、出過ぎてミドルとダマになっていると言えばいいのでしょうかね。
ミドルの音とローの音のバランスが絶妙なものが多く、ハズレが混ざり出すのが59年。
基本的にこちらでは、60年製はかなりの率でハズレだと考えています。
ミドルから下側に物足りなさを感じてしまいますから。
理由は勿論、ネックが薄すぎる事にあります。
なぜそうなったのかと言えば、無垢材のネックだからです。
強度を担保する部分と、ネック形状を担保する材が同一なので、薄くすればそのまま強度も落ちるからです。
しかしその形状を保ったまま、59年の当たりネックの強度にする事は補強材を使えば出来てしまいますね。
そのままでネックに使える材はそのまま使いますし、強度を調整しなければ使えない材はそのまま使ったりせず、ちゃんと強度を調整して使います(勿論、こちらで販売するギター全てにおいてです)。
複合材のネックには癖がありません。
つまり反り方が一定です。
無垢ネックのギターをフレット交換まで使い、リフレットの時に指板修正をして出来上がるネックのクオリティーを、新品状態で手に入れる事が出来ます。
木材の繊維を切ってそこに別素材を当て嵌めて作るので各素材の癖が平均化されてしまいます。
カーボン素材など、形状的に安定している補強材を使えば尚更です。